とある神官の話






「大丈夫か?」

「……ランジットさん?」

「おうよ」

「お、お姉ちゃん!」






 ランジットの背後から小さな影。飛びついた衝撃でバランスを崩す。

 ジョゼッタは堰を切ったように泣き出した。服をぎゅっと握りしめて。私は宥めるように背中を叩いてやる「無事で何より、だな」



 見知った顔を見て、私も途端に緊張感を無くす。








「どうして」

「あーいや、俺はだなあ」






 横でダナ・フィルタが捕らえられるのを見送ると、再び派手な音。

 ランジットが構えたが「お前なあ…」と呆れた声を上げた。





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