とある神官の話
後始末をしていた武装神官はぎょっとしてそちらを見ていた。それは、一番高い窓―――祭壇の上に位置するステンドグラスを派手に割り、着地した。
ダン、と華麗に着地し顔を上げる。ランジットが呆れたのも無理はない。ジョゼッタもまた涙をとめ、きょとんとした顔でその男を見ていた。
「エ、エルドレイス神官……?」
着地したかと思うと、あたりを見渡し、私と目が合う。まずい。何というかこう、まずい。ランジットに助けを求める前にそれは「シエナさん!」
ランジットを軽く押しのけ(蹴飛ばされたようにも見えた)、私の前に膝をつくと「怪我は?」と言ってきた。
「貴方どうしてここに」
「それは勿論」
「あれだろ、探してたんだろ?」
「……遮らないで貰えますか、ランジット」
ぎゅっとジョゼッタを抱きしめたまま立ち上がると、バランスを崩しかける。が、横から支えてきたのはゼノンだった。
細く頼りなくも感じるが、彼もまた男なのだと思ってしまう
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