とある神官の話







「何しけた面してんだよ」





 無愛想だぞ、と言われ本気で休暇申請したくなった。キースは用事がないなら帰りますが、と続きを促す。

 略式とはいえ、聖都で同じもの着ている者はいない。上等なものなのだが、何だか似合わなく見えてくる。これだから何かとまわりが煩いのだ。






「嫌な予感がするんだ」





 あれこれ考えていたキースははっとした。


 先程までの不真面目な表情から一変。きりっとした表用の顔をしたエドゥアール2世は、微かに目を伏せる。


 嫌な予感?





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