とある神官の話







 ダナ・フェルタが捕まって、やや安心した私。


 事件を解決しただとか、ゼノンにお姫様だっこされたとか、様々な噂がたっていることを知って軽く泣きたくなった。そんな私に「まあ頑張れ」と同情の目をロマノフ局長に肩を叩かれたのはついさっき。





「……噂は」

「ありえませんよ。断じて」

「ま、まあそうよね」






 安心した顔。

 どこがいいのか、あんなストーカー予備軍の。



 満足げに去っていく女性たちはおそらく、ファンの人たちだろう。あのゼノン・エルドレイスの。
 しかし「腹立つ」

 あの女性たち、絶対見下していた。はいはいどうせ不細工だし、まな板ですよ。





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