とある神官の話







 いつもいつもいつも、この人というのは!


 私は、はいそうですか、と入口へ向かったが、再び呼び止められた。背を向けたまま「何ですか」
 また変なことが言ったら、無視しよう。






「気をつけてくださいね」

「……ええ」






 いつものこと。そう、いつものこと。

 私は彼に振り返ることなく、部屋を出た。ブエナや、子供たちに挨拶をするために。






  * * *






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