とある神官の話





 海が近いゆえに、風にのって塩の匂いがした。

 聖都も確かにいいところであろう。だが、私は田舎のほうが好ましく思える。やはり自然が多いほうがいい。




 ランジットは何処へ行ったのか。私は町中を歩いていた。今朝あげたばかりなのだろう、新鮮な魚が並び、様々な人の声があがる。

 宿を中心とした範囲しか私は歩かないことにした。あまり土地に詳しくないので迷子になりかねない。それは避けたい。

 万が一のこともあるので、ミノアにいる神官から地図こそもらってある。が、いつランジットが戻るかわからないのだ。






「とはいっても」






 シュトルハウゼンは一体どこに行ったのか。ランジットはともかく、会ったことがない私にどう探せと。

 写真くらいなかったのだろうか。溜息しか出ない。



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