俺たち陰陽師!!!!!
「こうちゃん……ああ見えて……感情を表に……出す、の、苦手な子…だから…」
「うん…」
「……セーちゃん…」
母さんは俺の頬に震える手を伸ばす。
俺はその手を取り、自分の頬に添えた。
「……あなたは…強い子よ……」
「ん…」
「…こうちゃんを、救える……みんなを……守れる…」
「かあさ……」
「大好きよ……セーちゃん…」
「いや…だ…」
「………さよ…な…ら……」
ずるりと母さんの手がずり落ちていった。
閉じた瞳。
青くなっていく唇。
冷えていく、体。
「やだ……」
体から感じる心臓の音が、聞こえなくなった。
「……うそだ…」
目の前が歪んだ。
そして母さんの頬に涙が落ちた。
「……母さん…っ…」
揺さぶったって、起きないってわかってる。
けど。
それしかできない俺は、バカなだろうか。
“「………さよ…な…ら……」”
蘇る声に、また涙は溢れる。
それと同時に溢れた記憶。
“「全く、セーちゃんはー」”
“「今日は肉じゃがよー♪」”
“「セーちゃん、素敵!!」”
“「おいひー♪」”
“「帰ってきたら一緒に肉じゃが作りましょ?」”
笑顔で、言っていた。
だけど。
“「…こうちゃんを、救える……みんなを……守れる…」”
“「………さよ…な…ら……」”
もう、あの笑顔は二度と見られない。
「くっ……ぅ…」
俺の涙は亡き母を映して落ちていった。
「……さよなら…母さん…」
最後に見た母さんは亡くなったとは思えないほど、綺麗な顔をしていた。