俺たち陰陽師!!!!!
俺は母さんを地面に置き、立ち上がり、涙を拭った。
そしてふと思う。
乗り越えなきゃいけない。
これも記憶の1つだけど。
それも糧にして。
俺は、俺は。
「前に、進まなきゃ……」
『そうだ、主』
ブレイクは俺の肩に飛び乗った。
『美しいな、母君が』
「うん…。ねぇ、ブレイク」
『なんだ』
「苦悩ってさ、やっぱり、これからもずっと付き合わなきゃいけないだよな」
『ああ、そうだが』
俺は黙った。
するとブレイクが言う。
『覚えているか?』
「ん?」
ブレイクは少し間を開けて再び口を開く。
『光か、闇か。善か、悪か』
「!」
まるで何かの呪文のようにそれは流れていく。
『全て主の為であれば、我は主と共に―――』
ここまでは聞いたことがあった。
その続きは。
『―――茨の道をも歩み、深意なる絆――“契約”を結ぶことを望みたい』
初めて聞いた。
少し止んできた雨。
俺とブレイクの間を冷たい風が吹き通る。
俺は気付いた。
初めから決まっていた未来じゃなかった。
だけど運命は、突然大きな衝撃と共にやってきて。
俺の未来を変えていく。
だから今までの出来事は、あのKが言っていたように始まりに過ぎない。