この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 決意を固めた容保さまは、台命をお受け致しました。

 それからは京へ行くまでのあいだ、情報収集のために京に家臣を先発させ、

 ご自身も京の情勢について学び、治安を回復させるための案を模索しながら、着々と準備を進めていきました。


 そして、その年の十二月。


 準備を整えた容保さまは、約千名あまりの会津藩士を率いて、上洛したのでありました。


 兄さまの日新館のご学友のお父上さまや兄上さまも、ほとんどの方がたが容保さまの上洛に付き従い、会津を旅立たれました。



 ………このとき、誰が想像できたでしょう。



 この先の運命が、会津藩の行く末をどんどん窮地に追い込むことになるなんて。


 激動する時代の渦に、

 私たちの故郷が、大切な人たちが。

 すべて飲み込まれることになるなんて。




< 101 / 466 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop