この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 ――――季節は少しずつ秋へ変わりゆく。


 だんだんと日も短くなった。


 すっかり陽も落ちてしまった帰り道。



 私の数歩前には、大好きな利勝さまの背中がある。



 結局あのあと、せっかく来たのだからとさき子さまにお会いして、そのまま上がりこんでおしゃべりしていたら、

 くら子さまが、「せっかくだから夕飯も一緒に食べていったらどう?」と、おっしゃってくださって、

 下男の末吉さんにその旨をうちへ伝えに走らせてくれたので、
 お言葉に甘えてお夕飯もご馳走になって帰途についていた。



 末吉さんが送ってくれるはずだったのに、
 「いい、俺が行く」と 当たり前のように利勝さまがおっしゃってくれたから。



 だから私達はいま、ふたりきりで夜道を歩いている。


< 301 / 466 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop