この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜



 次々と消えてゆく仲間を目の当たりにして、皆の顔がつらく歪んだ。

 遠くで絶え間なく聞こえる砲声や銃声以外に、ときどき近くでも鋭く銃声が響く。

 きっと坂井らのように、散りぢりになって敗走する会津兵を見つけては、敵兵が銃弾を浴びせているのだろう。

 俺達だって、いつ敵に見つかるかわからない。


 ………限界が、近いのかもしれない。


 それほど俺達みなの体力と精神は、ギリギリのところまできていた。



 「……ここで 腹を切ろう」



 誰かが言った。



 「この状況じゃ、きっと退路も敵に阻まれていることだろう。
 敵に捕らえられてしまう前に、命を絶ったほうがいい」



 敵の捕虜になれば、家門の恥となる。最悪の不忠不孝だ。
 それは 俺達にとって、死よりも恐れていること。



 「そうだよ儀三郎!今の俺達じゃ、敵と出くわしても満足に戦えない!
 敵に無様な姿をさらす前に、皆 ここで腹を切ろう!」



< 380 / 466 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop