重なる身体と歪んだ恋情
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一糸纏わぬ姿で荒い息を繰り返し足元にひれ伏す八重を見ながら服を整える。


「それではドレスの件、頼みましたよ?」


それだけ告げて彼女の店を出た。

ポケットから懐中時計を取り出して時刻を確かめる。

……もう11時。

タクシーが居ればいいのだが。

見上げる月は半分で今にも海に沈みそうだ。

タクシーが居なければ、社に戻って朝を迎えるしかないか。

それから如月に電話して――。

多分、また小言のひとつも言われるのだろう。

それを思うとうんざりで。

とりあえず横浜駅を目指して歩くことにした。



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