重なる身体と歪んだ恋情
日当たりはよさそう。
それが一番最初に思ったこと。
開けられたドアから部屋の中へ。そこにあるのは天蓋付のベッドだけで思わず足を止めてしまった。
そんな私にクスリと乾いた笑いが落ちてくる。
「とりあえず、あなたの好みが分かりませんでしたので何も置いてはいません。ただ、寝る場所だけは必要かと思い勝手にこれを置かせていただきました」
確かに、土足のまま入るこの家でベッドが無ければ寝る場所も無い。
けど……。
「後、必要なものがありましたら如月に。あなたの好きなものをこの部屋に置くといい。それとそのドレスでは息苦しいでしょう。小雪」
彼の声に「はい」と可愛らしい声が返ってくる。
「彼女の着替えを。それでは私はこれで」
そう言うとこの部屋に私と小雪を残してみんな居なくなってしまった。
勿論、私の夫である彼も。
「千紗様、お着替えどうなさいますか?」
「えっ?」
どうって?
困惑する私に小雪は壁に備え付けられたドアを開けた。
そこには無数のドレスが並んで。
「どのドレスにいたしましょう? もしくはお着物のほうがよろしいですか?」
「……」
もう、このウェディングドレスは脱げと言う事なのね。
別にドレスでも着物でもどちらでもいいのだけど。
「息の出来るドレスにして。とても息苦しいの」
そう言って大袈裟に息を吐くと小雪は「ではこちらを」と水色のドレスを持ってきた。