重なる身体と歪んだ恋情
音楽がゆっくりと流れてもうすぐ終わる。
彼の動きもゆっくりに、それにあわせ私の足もスローになる。
音楽が小さくなって消えて、私の足も止まった。
やっと、終わった。
その安堵感に思わず息を吐き出してしまうほど。そんな私だから、
「大丈夫ですか?」
なんて言われて。
何がどう大丈夫なのか分からないけど、「大丈夫です」と返しておいた。すると、
「So cute! Your sister?」
なんて声が聞こえて。
相手の男性はニコニコ笑顔の金髪の男性。
彼は苦笑いをしながら多分、違いますって返したんだと思う。
その後も何か話してたけど私にはさっぱり分からなかった。
それでも一応言われたとおり作った笑顔を浮かべて彼等の話を聞いてるフリをして。
「千紗さん」
「あ、はい」
日本語で呼ばれて、ハッとしてしまった。
「私は少し話がありますのであなたは少し休んでいてください」
奏さんはそう言って私の傍から居なくなって。
休むって? どこで?
この会場を見渡す限り椅子なんて無い。
周りの人は談笑とお酒、そして少しばかり置かれた料理を楽しんでる。
だからってその輪の中に飛び込んでいけるわけも無く、お酒や食べ物を欲しいとも思えない。
帰りたい。
車に戻ったら如月が居るかしら?
そう思ったのだけど。
多分、私はここに居ないといけないのだと思う。
でもこんなホールの真ん中にいつまでも突っ立てるわけにも行かなくて、さっきのテラスを思い出してやっと足を動かした。
彼の動きもゆっくりに、それにあわせ私の足もスローになる。
音楽が小さくなって消えて、私の足も止まった。
やっと、終わった。
その安堵感に思わず息を吐き出してしまうほど。そんな私だから、
「大丈夫ですか?」
なんて言われて。
何がどう大丈夫なのか分からないけど、「大丈夫です」と返しておいた。すると、
「So cute! Your sister?」
なんて声が聞こえて。
相手の男性はニコニコ笑顔の金髪の男性。
彼は苦笑いをしながら多分、違いますって返したんだと思う。
その後も何か話してたけど私にはさっぱり分からなかった。
それでも一応言われたとおり作った笑顔を浮かべて彼等の話を聞いてるフリをして。
「千紗さん」
「あ、はい」
日本語で呼ばれて、ハッとしてしまった。
「私は少し話がありますのであなたは少し休んでいてください」
奏さんはそう言って私の傍から居なくなって。
休むって? どこで?
この会場を見渡す限り椅子なんて無い。
周りの人は談笑とお酒、そして少しばかり置かれた料理を楽しんでる。
だからってその輪の中に飛び込んでいけるわけも無く、お酒や食べ物を欲しいとも思えない。
帰りたい。
車に戻ったら如月が居るかしら?
そう思ったのだけど。
多分、私はここに居ないといけないのだと思う。
でもこんなホールの真ん中にいつまでも突っ立てるわけにも行かなくて、さっきのテラスを思い出してやっと足を動かした。