重なる身体と歪んだ恋情
次の日の朝は誰に起こされるでもなく勝手に目が覚めて。


「おはようございます。奏様もお食事中です。ご一緒なさいますか?」


如月の声に朝から気が重くなった。

「いいえ」なんて言えるはずも無く、


「そうね」


と答えて鏡に自分を映す。

髪はちゃんと結ってるし服だってちゃんとドレスを着てる。

問題は、ないはず。

如月にも分からないように小さく息をはいて居間の前へ。

扉を開けるのは如月の仕事。

開けられたドアから眩しい朝日が入り込む。

それに目をそばめれば、


「おはようございます、千紗さん」


いつもと変わらない奏さんの声が聞こえてきた。
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