重なる身体と歪んだ恋情
夜。

雨の音に目を覚ましてしまった。

喉は渇きまで訴えて。

時計を見ればまだ12時を少し回ったところ。多分如月は起きているだろう。

だからベッドから体を起こしてローブを纏った。

階段を下りて、


「き――」


如月の姿に声をかけようとして、


「お帰りなさいませ、奏様」


彼の声に、開けられる玄関のドアの音に言葉を飲み込んだ。

奏さんが帰ってきたのだ。

だから見つかる前に部屋へ戻ろうとしたのに、


「どうかなさいましたか? 千紗様」

「あ」


小雪に見つかってしまった。
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