重なる身体と歪んだ恋情
黙っていると、
「なら、ここで踊りましょう」
「せ、んせ?」
「ここなら誰にも見られませんから、ほら」
「きゃ、先生!」
そう言って強引に私の手を取ってもう片方の手を腰に回して。
「音楽が始まりました」
「あ」
先生がリードするまま私の足が動く。
1,2,3、1,2,3.
だけどここは暗くて足元も覚束なくて、
「あっ、ごめ」
私の足が先生の上に。だから慌てて降ろそうとしたのに、
「そのまま掴まって!」
「きゃあ!」
彼はそのまま足を高く上げて私の体を支えて。
宙に浮く私の体。
ドレスの裾がヒラヒラと舞って――。
子供の頃、よくこうして父様に踊ってもらった。
私の足は父様の足の上。
それが当たり前で普通で。
初めて社交界に出てときもやっぱり上手く踊れなくて。
でも父様の相手は母様。
だから、
『いいよ、そのままで。ちゃんと掴まっておいで』
彼にも同じようにしてもらった。
そしてダンスの最後、彼は私ごと足を高く上げて――。
ドンッとぶつかったのは先生の胸。
「あははっ、どう? 楽しいでしょう?」
「――もうっ! 先生!!」
「そうやってもっと表情を出して」
「え?」
「あぁ、見つかったね」
その台詞に心臓がドクンと跳ねた。
「なら、ここで踊りましょう」
「せ、んせ?」
「ここなら誰にも見られませんから、ほら」
「きゃ、先生!」
そう言って強引に私の手を取ってもう片方の手を腰に回して。
「音楽が始まりました」
「あ」
先生がリードするまま私の足が動く。
1,2,3、1,2,3.
だけどここは暗くて足元も覚束なくて、
「あっ、ごめ」
私の足が先生の上に。だから慌てて降ろそうとしたのに、
「そのまま掴まって!」
「きゃあ!」
彼はそのまま足を高く上げて私の体を支えて。
宙に浮く私の体。
ドレスの裾がヒラヒラと舞って――。
子供の頃、よくこうして父様に踊ってもらった。
私の足は父様の足の上。
それが当たり前で普通で。
初めて社交界に出てときもやっぱり上手く踊れなくて。
でも父様の相手は母様。
だから、
『いいよ、そのままで。ちゃんと掴まっておいで』
彼にも同じようにしてもらった。
そしてダンスの最後、彼は私ごと足を高く上げて――。
ドンッとぶつかったのは先生の胸。
「あははっ、どう? 楽しいでしょう?」
「――もうっ! 先生!!」
「そうやってもっと表情を出して」
「え?」
「あぁ、見つかったね」
その台詞に心臓がドクンと跳ねた。