重なる身体と歪んだ恋情
彼の顔は残念ながら覚えていない。

でも、


「あれは――」


大野先生だったの?

先生は何歳なのかしら?

もしかしたら若い頃は実家のお手伝いとかされてたのかもしれない。

だとしたらあの場所に居たっておかしくないし、継ぎたくない家業なら面白くなさそうに会場の隅に立っていたのも理解できる。

そう、なのかしら?

少しドキドキする胸を感じる。

今度、先生に聞いてみようか?

また会える保証なんて無いのに、何故かきっと会えるなんて思えてしまう。

今まで行きたくなくて仕方なかった社交界だけど、明日にでも行ってもいいと思えるほどドキドキしながら目を閉じた。
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