重なる身体と歪んだ恋情
なのに、


「まだまだ、ですよ」

「やめっ、んあっ!!」


彼の行為は止まらない。

私の胸は彼の手の中で形を変えて、体の中心の疼きはさらにひどく彼の指を飲み込んでいく。

そして硬くなったそこへぬるりとした彼の指が這って、


「――ふあっ」


全身に快楽が突き抜ける。

何度も何度もそれを繰り返されて抵抗する気なんて無くなった頃、


「これから、ですよ?」


薄く目を開けるとクスクス笑う奏さんの顔があって、


「あっ、あぁっ!!」


引き裂かれるような痛みに全身が震えた。


「まだ、全部入ってませんよっ」

「やめっ」


脚を大きく広げられてその間に彼が居て。

重なる身体。

私を嬲って楽しんるくせに、その顔がすこし寂しそうに見えるのはどうして?

ひどい痛みの中でそんなことを思っていたけれど、


「いやぁ――!!」


身体の奥底まで繋がる痛みにすべてが消え去った。



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