重なる身体と歪んだ恋情
するとドアがノックされて。奏さんが「どうぞ」と言うと、遠慮なく開けられるドア。
そこに立っていたのは扇子を仰いでいる男性と汗を手ぬぐいで拭いている中年の男性二人で。
「少しよろしいですか?」
けれど二人は憲兵の制服を着ていた。
「昨日の付け火ですが」
「え?」
思わず上がる声に「千紗様」と如月の制する声が。
「すみません」と首をすくめると扇子を仰いでる憲兵が話しを続けた。
「犯人が捕まりました」
その報告に私たちの息が止まった。
昨日の火事が放火で、しかも犯人まで捕まって。
その名前は、
「大野芳史という男をご存知ですか?」
意外な名前で、一瞬では分からなかったけど、
「はい、何度か面識が」
奏さんの答えにそれが大野先生だと気がついた。
「仕事上の問題かなにか?」
「さあ、彼の会社と取引はありませんので」
「取引と言うより競合会社に当たるはずですよね?」
「特に意識したことはありませんね」
「そうですか。ここからは形式的なことを――」
あの火事は大野先生が?
どうして?
ちらりと奏さんを見ると彼は私の視線に気付きつつもこちらを見ない。
「私が帰ってきたときには火はもう回っていて――」
彼なの?
彼が先生になにか――。
そこに立っていたのは扇子を仰いでいる男性と汗を手ぬぐいで拭いている中年の男性二人で。
「少しよろしいですか?」
けれど二人は憲兵の制服を着ていた。
「昨日の付け火ですが」
「え?」
思わず上がる声に「千紗様」と如月の制する声が。
「すみません」と首をすくめると扇子を仰いでる憲兵が話しを続けた。
「犯人が捕まりました」
その報告に私たちの息が止まった。
昨日の火事が放火で、しかも犯人まで捕まって。
その名前は、
「大野芳史という男をご存知ですか?」
意外な名前で、一瞬では分からなかったけど、
「はい、何度か面識が」
奏さんの答えにそれが大野先生だと気がついた。
「仕事上の問題かなにか?」
「さあ、彼の会社と取引はありませんので」
「取引と言うより競合会社に当たるはずですよね?」
「特に意識したことはありませんね」
「そうですか。ここからは形式的なことを――」
あの火事は大野先生が?
どうして?
ちらりと奏さんを見ると彼は私の視線に気付きつつもこちらを見ない。
「私が帰ってきたときには火はもう回っていて――」
彼なの?
彼が先生になにか――。