重なる身体と歪んだ恋情


「お祖母様のところへ行ってきます」

「千紗様、今日は――」


止めようとする如月にニコリと笑って「大丈夫よ」と答えた。

今日、如月は家の建設関係で契約に行くように奏さんに言われてる。

一緒にと如月に言われたけれど、私は首を振った。


「毎日行ってるんだもの。一人で行けるわ」


そう言って、私は一人で出かけた。

一人で出かけるなんてどれくらいぶりだろう。

いつも如月がいて車で出かける。

こうして長い時間歩くことだって久しぶりな気がした。
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