重なる身体と歪んだ恋情
その日は歩いて帰らないといけないから早めにお暇を。

歩いてかえる途中、


「……雨?」


ぽたりと雨粒が落ちてきた。

急いで帰らないと。

足を速めて家路を急ぐ。

そばを歩く人たちも「雨?」「あら、雨ねぇ」と口々に言いながら小走りにどこかへ急ぎ始めた。

雨が落ちて地面を濡らす。

あたりは雨独特の匂いが覆い始めた。

なんか、気持ち悪い。

別に雨のにおいを嫌いだなんて思ったことは今まで無かったのに、今は気持ち悪くて仕方ない。

嘔吐しそうとかそう言うのでは無いのだけれど、気持ち悪くて仕方なかった。





「まぁ! 千紗様、そんなに濡れて! 早くお着替えください! なんでしたらお風呂を用意しますよ?」


帰るなり、スズが驚いて私に手ぬぐいで拭いてくれる。


「大丈夫、でも少し横になりたいの」


そう言うとスズは私の顔を覗きこんで驚きの表情を見せた。


「お顔が真っ青ですよ! えぇ、すぐに横におなりください!!」


そしてすぐに着替えを用意してくれて、私はそれに着替えてベッドに横になった。




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