重なる身体と歪んだ恋情


「千紗」


しばらくして、そっとドアの開く音が聞こえた。

続いて聞こえてくる声には聞こえないふりをした。

彼の足音が近づいてくる。

そして、ベッドがギシリと音を立てた。


「何か、ありましたか?」


その声にも私は聞こえないふりをしてじっと丸まったまま。

すると、彼が後ろから抱きしめるように私に寄り添った。


「おやすみなさい」


その声に、そしてやはり彼から香る白檀に、

泣きそうになるのを我慢して私は閉じた目をさらにギュッと瞑った。
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