重なる身体と歪んだ恋情
背筋にゾクリと詰めたいものが走って、目の前が真っ白になった。


「千紗さん?」

「――あ、なんでも」

「どうなの?」


お祖母様は嬉しそうにニコニコ笑ってる。


「……多分、違います。ちょっと疲れてるだけだと……」


そう答えるとお祖母様は少し寂しそうに「それは、残念ね」と呟いた。

それからもお祖母様と適当なことを話す。

その間中、自分の体のことが気になって仕方なかった。

もしもそうだとしたら、どうなるの?

私は彼に買われた存在で、彼がほしいのは私の身体に流れる血筋で、

だから欲しいのは子供で――。

その子供が出来たら、

私は、どうなるの――?


こんなことばかり考えていると、家に着いたときにはもう疲れきってしまった。

だからまたベッドにもぐりこんで毛布に包まる。

まだ分からない。

そう思いつつもどこかで確信してる。



私は、彼の子を宿している――。
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