重なる身体と歪んだ恋情
車に乗って東京駅に。
レンガ造りの建物は以前見たときと変わらず美しい。
西洋的な建物にその中を歩く人も洋装で。
勿論着物を着てる人も居るけれど、そういった人は結構年配だったり。
「参りましょう」
そう言われて私は如月の後を歩き始めた。
思った以上に人は多くて、
「あ、すみません」
歩いてはぶつかってしまう。
そんな私を見かねてか、
「千紗様」
「……」
差し出された如月の手。
「はぐれてしまっては困りますから」
「なっ、はぐれたりなんて」
「誰かとぶつかって怪我をなさっても困りますので」
「……」
そう言われて、私は仕方なく如月の手を取った。
私より大きな手は少し冷たい。
だけど握ってくる力は強くて、なぜだかほっとしてしまった。