魔法都市
しばらくすると魔法図書館に着く
悠太は見上げながら「でっけーな」とボソリと呟く
ビル10階分、約25メートルの建物でレンガ造りで塔の形をしている
この建物の周りには二重の結界が張っている
「さ、入るわよ」
「ハイハイ」
ガチャンと少し重たい扉を開けるとズラリとある本棚と階段が螺旋状になっている
見上げると天上はガラス張りになっていて程よい光が入ってくる
受付に行くとそこには一人の女の子が座っていた
奏たちと同い年くらいの子だ
「朱理!」
朱理(あかり)と呼ばれた少女は顔を上げると「あ」と言う
「久しぶり奏!」
「久しぶりね」
「…………」
(この子も水城の知り合いか?相変わらず顔広いやつだな…)
奏の立場ともなれば顔の広さもそうだが上層部との関係や色々な情報の多さが半端ない
「あなたは初めて見る顔ね。もしかして篠原悠太くん?」
「あ、あぁ…」
初対面にしてすぐに名前が知られたことにビックリする
そしてすぐにピンッときた
朱理が奏の言ってた情報屋なんだと
「私は朱理って言うの。よろしくね」
「よろしく…えっと、朱理ちゃん?」