魔法都市

親の顔を知らない奏
知ってるのは写真に映る姿のみ

親の温もりや声はまったく知らない
いまも昔も灯が親のような存在だ

『誰になにを言われても気にしちゃダメよ?いまのアナタにそれを言っても難しいかもしれないけど』

『うん…』

『じゃあ、こういう風に考えましょ?そのチカラはアナタも周りの人も守るチカラって』

『誰かを?』

うん。と優しく頷く
子供の奏には難しいかもしれないがいずれ分かるだろうと思った

周りの子供よりも大人よりも強いチカラを持った

『それって灯さんも守るってことでいいの?わたしにとって灯さんはお母さんみたいな人だもん』

『ありがとう奏。私もアナタを守るわね』

7歳とは思えない思考だが灯も奏を娘のように慕っていた
施設にいる子供たちよりも放っておけないのが彼女だ

どの子もチカラ有無や差はあるものの奏に近寄ろうとしない
恐らく子供の中にはある本能が"キケン"と思ってしまっているからだ

『さ、早く帰りましょう』

『うん』

そんな奏を灯は人一倍気にして接している
平等にするのが一番だが奏自身も他の子に近寄らないのだ

そんな日が今日壊れることも知らずに……

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