あなたの心にいる人は… (完)
「あれ?あれれ~?」


「おいっ?!」


へなへなとずり落ちる私の腕を掴みながら廉が呆れた声をだす


「…腰抜けちゃって」


「なにやってんだ」


腰抜けた私を見る廉の目は


初めての目


心配でも医者の目でもない


呆れたような仕方ないなと言うような目


そこに愛はなくても嬉しかった


初めてむけられた廉の気持ち


決してふたりの距離が縮まった訳じゃないけど


うれしい
< 34 / 269 >

この作品をシェア

pagetop