隣の彼の恋愛事情
「ご無沙汰しております。山本社長。」
笑顔の山本社長に私も自然と笑顔になる。

「神崎くん知り合い?」
課長に聞かれて、コクリと頷く。

「合併前の部署では奥様とともに大変お世話になったんです。」

私たちの、世間話をアイツはだまって聞いていた。

「いや~お世話になってたのは、こっちだよ。法人課に異動になってたんだね。」
「そうなんです。まだ不慣れで怒られてばっかりですけど。」

ちらりと三浦さんを見る。

「以前、奥様と華道展に一緒に行くお約束をしていたんですが、私が異動になってしまって・・・」
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