隣の彼の恋愛事情
「いつもごめんね」

泣きじゃくりながら謝ると

「ありがとう。だろ」

そう言って私の頭を再度優しくなでてくれた。

そして一層私を強く抱き寄せると、

「もう俺のところに戻っておいで」

そう優しく言った。

「戻る?」

「そう、戻って来い。もともと紅のいるはずだったところだよ」

「私の?」

チィ兄の言わんとするところが理解ができずに顔をあげてチィ兄を見つめる。

「俺ずっと紅のそばにいたよ。紅が誰かと付き合ってる時もずっとそばで待ってた」

「チィ兄・・・」

「幼い初恋が、大人の恋になってくれるのずっと待ってた」

「だって、チィ兄彼女だっていたじゃない」

「それを言われるとつらいな」

顔をしかめて私に苦笑いする。

「何度もあきらめようとしたよ。お前にとってはずっとただの初恋の‘チィ兄’だったんだから」

真剣な目で見つめられて、ドキリとする。
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