隣の彼の恋愛事情
部屋の中に踏み込むと、ふかふかの絨毯に足が沈んだ。

一番に目に付いたのは、一面のガラス張りのむこうには今まで見たことないような夜景が広がっていた。

思わず駆け寄って、眼下にひろがるきらめきに心を奪われていると後ろからキツく斗馬に抱きしめられた。

「斗馬・・・」

斗馬の手に自分の手を重ねた。

「誕生日おめでとう」

そう言って、斗馬が私の耳朶をかみながら言う。

腕時計を確認すると時刻は0時を少し過ぎたところだった。

「ありがとう」

目を閉じて、斗馬のぬくもりを感じでいると、重ねていた手を持ち上げられて左手の薬指に冷たい感触を感じた。

目をあけて確認すると、まばゆいばかりのダイヤの指輪が私の指にはまっていた。

「給料の三ヶ月分と言いたいところだけど、これ実はおふくろの」

見上げた斗馬が照れくさそうに言った。

「実を言うとリメイク頼んでて、クリスマスに仕上がってたんだ。で、寝てる間に驚かせようと思って、お前の指にはめたらブカブカでさ。マジで焦ったよ。プレゼントも準備できてなかったし、初めてのクリスマスがあれですまなかったな」

今更クリスマスの種明かしと謝罪をされる。

頭を掻きながらそういう斗馬が愛おしくて私は斗馬の首に腕を回して
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