夜猫'A cat chooses xx.'




わけが解らない。




冷たく嗤ったかと思えば、悲しい顔をしてごめんね、と呟く。



『…………貴方、誰?』





私は、何故か恐怖が消え失せてしまった。




その予想外の言葉に男は目を丸くしながらも、もう一度儚げに笑って口を開く。




「加原 魅憂-Kahara Miu-。



姫の名前は?」




魅憂、と名乗った男は金髪に赤のメッシュを入れている。



私は少し微笑んで口を開く。



『夢羽。』




私も素直に言うと、魅憂は夢羽……と呟いていた。



「なんか、僕達の名前の響き似てるね」



そう言って笑う魅憂に、さっきの冷たい嗤いや、不気味さは感じられない。




本当は、いい人なんじゃ無いのかな。





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