魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
ローズマリーの顔色は良く、健康的に見えた。
不死の魔法を完成させる前から患っていた胸の病が原因で、永遠に薬を飲まなければならない身体だったが――自分が作った薬よりも効果のある薬をオーディンが開発したのだろう。
2人が愛し合う関係になったことは驚きだったが…嫉妬はない。
むしろ共に歩む者ができて喜ぶべきだ。
「お師匠、顔色が良いな。今どこに居るんだ?」
「オーディンの隠れ家のひとつよ。全く人気がないから煩わしい喧騒もなくて、魔法使いらしい暮らしをしているわ」
知らない女に抱っこされてどこか戸惑った表情をしているルゥを懐かしいような眼差しで見て微笑んでいたローズマリーは、顔を上げてコハクに笑いかけた。
「私が拾った時のあなたとそっくり。ここまで似てるとクローンじゃないのかと疑ってしまうわね」
「なに言ってんだ、ちゃんとチビから産まれてきたっつーの。まあここまで俺に似てたらそう思うよな。ルゥ、こいつはパパのお師匠なんだぞー。すごい人なんだぞー」
「きゃぅっ、きゃきゃっ」
ルゥを受け取ったコハクが高い高いをすると喜んで声を上げたルゥの首に下がったネックレス――
それにすぐさま注目したオーディンとローズマリーは顔を見合わせて芝生の上に座ると、父親の顔を見せるコハクを眺めた。
――身体は相変わらず細くて、特に腰回りなどはどんな女でも性的な感情を抱かずにはいられない。
邪な感情を増幅させるという恐ろしい特性のコハクから目を逸らしたローズマリーは、隣に座っていたオーディンと目が合って苦笑した。
「やだ、なに見てるのよ。ずっと見てたの?」
「数年で忘れられるものとは思っていませんよ。私があなたを癒してあげられるのには限界がありますからね」
「別に癒してほしいなんて言ってないでしょ。あなただっていつか私から離れて行って真理を求める旅に出ること位知ってるわ」
「……とりあえず私はコハク様の協力要請は拒めませんからあなたは自由行動を。それにルゥ様のあの水晶……すごい力だ」
コハクの体内を巡る水晶が結晶化してできたのだろうと予想したオーディンは、コハクをミニチュアにしたようなルゥを検分するように視線を注ぐ。
「ルゥ様も魔法使いの素質が十分ありますね。将来が楽しみな方だ」
「…」
終始無言を貫いたローズマリーは、傍に咲いていた花を摘んで香りを楽しみつつも――コハクを見ないように努めた。
見てしまうと――あの頃を思い出してしまうから。
不死の魔法を完成させる前から患っていた胸の病が原因で、永遠に薬を飲まなければならない身体だったが――自分が作った薬よりも効果のある薬をオーディンが開発したのだろう。
2人が愛し合う関係になったことは驚きだったが…嫉妬はない。
むしろ共に歩む者ができて喜ぶべきだ。
「お師匠、顔色が良いな。今どこに居るんだ?」
「オーディンの隠れ家のひとつよ。全く人気がないから煩わしい喧騒もなくて、魔法使いらしい暮らしをしているわ」
知らない女に抱っこされてどこか戸惑った表情をしているルゥを懐かしいような眼差しで見て微笑んでいたローズマリーは、顔を上げてコハクに笑いかけた。
「私が拾った時のあなたとそっくり。ここまで似てるとクローンじゃないのかと疑ってしまうわね」
「なに言ってんだ、ちゃんとチビから産まれてきたっつーの。まあここまで俺に似てたらそう思うよな。ルゥ、こいつはパパのお師匠なんだぞー。すごい人なんだぞー」
「きゃぅっ、きゃきゃっ」
ルゥを受け取ったコハクが高い高いをすると喜んで声を上げたルゥの首に下がったネックレス――
それにすぐさま注目したオーディンとローズマリーは顔を見合わせて芝生の上に座ると、父親の顔を見せるコハクを眺めた。
――身体は相変わらず細くて、特に腰回りなどはどんな女でも性的な感情を抱かずにはいられない。
邪な感情を増幅させるという恐ろしい特性のコハクから目を逸らしたローズマリーは、隣に座っていたオーディンと目が合って苦笑した。
「やだ、なに見てるのよ。ずっと見てたの?」
「数年で忘れられるものとは思っていませんよ。私があなたを癒してあげられるのには限界がありますからね」
「別に癒してほしいなんて言ってないでしょ。あなただっていつか私から離れて行って真理を求める旅に出ること位知ってるわ」
「……とりあえず私はコハク様の協力要請は拒めませんからあなたは自由行動を。それにルゥ様のあの水晶……すごい力だ」
コハクの体内を巡る水晶が結晶化してできたのだろうと予想したオーディンは、コハクをミニチュアにしたようなルゥを検分するように視線を注ぐ。
「ルゥ様も魔法使いの素質が十分ありますね。将来が楽しみな方だ」
「…」
終始無言を貫いたローズマリーは、傍に咲いていた花を摘んで香りを楽しみつつも――コハクを見ないように努めた。
見てしまうと――あの頃を思い出してしまうから。