魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
ラスは王女だったので、今まで掃除をしたりすることも全くといっていいほどなかった。
だがクリスタルパレス再建の際に掃除をしたり、時々改造済みの魔物たちと一緒に掃除をしたりで、それなりにてきぱきと片付けはできるようになった。
…が、コハクとは片づけるスピードが違う。
「しっかしよくもこんなに散らかせるよな。アーティストってこんなもんなのか?」
「俺の家はまともな方だ。ちょ、そこは…」
アーシェが普段寝ているベッドルームに侵入したラスがベッドの上に山盛りになっている服や下着を畳み始めたので、慌てたアーシェはラスの手からボクサーパンツを奪い取って顔を赤くした。
「こ、ここはいい!」
「でもしわくちゃになってたよ?あ、服とか下着とかはグリーンリバーで用意すればいいから、アーシェが必要だって思うものだけトランクに詰めて持って来てね。じゃあ私キッチンを片付けてるから」
にこにこしながら1階に降りて行ったラスを見送ったアーシェは、昨晩コハクからラスがゴールドストーン王国の王女だったことを聞かされた。
もちろん王国は知っていたが、まさかその強国の王女がラスだとは――
ぽやんとしているのでどこかのお嬢様かもとは思っていたが…
「お姫様だったのか。しかもコハクが影に憑いて…」
聞けば聞くほど目を丸くする話のオンパレードだったが、2人の表情を見るに嘘ではない。
狭い世界で生きていたアーシェにとって、この2人の物語も創作意欲を刺激するきっかけとなり、今からすぐ作業部屋に籠もって何か作りたい気分になっていた。
「チビ、そこ危ねえから俺がやるし。ああーっ、もう俺がやっから!チビは紅茶でも飲んでそこに座ってろ!俺の目の届く場所で!」
「うん、わかった。ねえコー、アーシェから何か買い取るつもりだったんじゃないの?この水晶の女の人の像貰えるって。どうやって運ぶの?」
「チビの影に入れて運ぶけど、ここに残ってるのはきっとあいつが気に入ってるやつだろ。無理強いすんのもアレだし、グリーンリバーに帰ってゆっくり交渉してみる」
腕まくりをしたコハクが驚異のスピードで片づけをしているのをのんびり見ていたラスは、2階から降りて来たアーシェを見つけると、手ぶらなことに気付いて首を傾げた。
「作業道具だけでいい。あっちでも広いスペースがあればいいんだけど」
「ある!あるよアーシェ!わあ、何を作るの?ねえ、何を!?」
飛び付いてきたラスにどぎまぎしながらのけぞって距離を取った。
コハクはそんなアーシェを笑いながら見ていた。
だがクリスタルパレス再建の際に掃除をしたり、時々改造済みの魔物たちと一緒に掃除をしたりで、それなりにてきぱきと片付けはできるようになった。
…が、コハクとは片づけるスピードが違う。
「しっかしよくもこんなに散らかせるよな。アーティストってこんなもんなのか?」
「俺の家はまともな方だ。ちょ、そこは…」
アーシェが普段寝ているベッドルームに侵入したラスがベッドの上に山盛りになっている服や下着を畳み始めたので、慌てたアーシェはラスの手からボクサーパンツを奪い取って顔を赤くした。
「こ、ここはいい!」
「でもしわくちゃになってたよ?あ、服とか下着とかはグリーンリバーで用意すればいいから、アーシェが必要だって思うものだけトランクに詰めて持って来てね。じゃあ私キッチンを片付けてるから」
にこにこしながら1階に降りて行ったラスを見送ったアーシェは、昨晩コハクからラスがゴールドストーン王国の王女だったことを聞かされた。
もちろん王国は知っていたが、まさかその強国の王女がラスだとは――
ぽやんとしているのでどこかのお嬢様かもとは思っていたが…
「お姫様だったのか。しかもコハクが影に憑いて…」
聞けば聞くほど目を丸くする話のオンパレードだったが、2人の表情を見るに嘘ではない。
狭い世界で生きていたアーシェにとって、この2人の物語も創作意欲を刺激するきっかけとなり、今からすぐ作業部屋に籠もって何か作りたい気分になっていた。
「チビ、そこ危ねえから俺がやるし。ああーっ、もう俺がやっから!チビは紅茶でも飲んでそこに座ってろ!俺の目の届く場所で!」
「うん、わかった。ねえコー、アーシェから何か買い取るつもりだったんじゃないの?この水晶の女の人の像貰えるって。どうやって運ぶの?」
「チビの影に入れて運ぶけど、ここに残ってるのはきっとあいつが気に入ってるやつだろ。無理強いすんのもアレだし、グリーンリバーに帰ってゆっくり交渉してみる」
腕まくりをしたコハクが驚異のスピードで片づけをしているのをのんびり見ていたラスは、2階から降りて来たアーシェを見つけると、手ぶらなことに気付いて首を傾げた。
「作業道具だけでいい。あっちでも広いスペースがあればいいんだけど」
「ある!あるよアーシェ!わあ、何を作るの?ねえ、何を!?」
飛び付いてきたラスにどぎまぎしながらのけぞって距離を取った。
コハクはそんなアーシェを笑いながら見ていた。