魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
この家を守らなければとずっと思いながら生きてきた。
数世代に1度生まれてくる赤い瞳を持った子のために家を豊かにして、家に閉じこもって生きてゆけるようにと願いながら少しずつ大きくなっていった家。
こうして家に閉じこもって好き勝手できたのは、祖先たちの努力のおかげ。
「…でも俺やっぱり……」
「ちょっとだけ。何もずっと住めって言ってるわけじゃねんだ」
ラスが飛んだり跳ねたりしながら部屋中を駆け回っている間に、コハクはアーシェの肩を抱いてひそりと話しかけた。
「俺もこの瞳のせいで苦労した。だけど今は幸せにいきてる。俺はお前がこんな狭い世界に生きて、その赤い瞳のせいで悩んで、周りから疎まれてるのが嫌なんだ。もっと大勢人が住んでるとこに出りゃ瞳の色なんか誰も気にしねえ。だから来てみろって」
「だけど…お前に迷惑がかかるんじゃ…」
「はあ?俺は迷惑だなんて思ってねえよ。あわよくばお前に何か作ってもらって街に飾って……おっと、願望を話しちまった」
ぺろっと舌を出したコハクに小さな笑みを見せたアーシェは、玄関の扉の前に立って四方を見渡した。
また戻ってくると思うけれど、お別れをしておこう。
いつかコハクのように結婚をして、家族ができたらここに戻ってこようと決めて――
「…行って来ます」
「よっし、じゃあ行くか。チビー、行くぞー!」
「はーい!私もグリーンリバーに戻るの楽しみ!あっ、お土産買って行かなくっちゃ!えっと、グラースとティアラにはネックレスとかピアスとか買ってあげるの。コー、いいよね?」
「もちろん。じゃあ魔法かけるぞー」
家の外に出て扉を閉めた後、コハクは扉に右手を置いてぽつりと何か囁いた。
すると扉を中心に淡い光が家を包み込み、硬化したように見えた。
「例えばの話、石を投げられても窓ガラスは割れねえし、扉を斧で壊そうとしても絶対壊れねえ。これでますます不気味な家になったってわけだ」
「それは願ったり叶ったりだ。コハク…ありがとう」
感謝を述べられて急に恥ずかしくなったコハクが指で頬をかいていると、ラスがきゃっきゃっ声を上げているルゥの頬にキスをしまくりながら腕を振り上げた。
「出発進行ー!」
いよいよグリーンリバーへ。
数世代に1度生まれてくる赤い瞳を持った子のために家を豊かにして、家に閉じこもって生きてゆけるようにと願いながら少しずつ大きくなっていった家。
こうして家に閉じこもって好き勝手できたのは、祖先たちの努力のおかげ。
「…でも俺やっぱり……」
「ちょっとだけ。何もずっと住めって言ってるわけじゃねんだ」
ラスが飛んだり跳ねたりしながら部屋中を駆け回っている間に、コハクはアーシェの肩を抱いてひそりと話しかけた。
「俺もこの瞳のせいで苦労した。だけど今は幸せにいきてる。俺はお前がこんな狭い世界に生きて、その赤い瞳のせいで悩んで、周りから疎まれてるのが嫌なんだ。もっと大勢人が住んでるとこに出りゃ瞳の色なんか誰も気にしねえ。だから来てみろって」
「だけど…お前に迷惑がかかるんじゃ…」
「はあ?俺は迷惑だなんて思ってねえよ。あわよくばお前に何か作ってもらって街に飾って……おっと、願望を話しちまった」
ぺろっと舌を出したコハクに小さな笑みを見せたアーシェは、玄関の扉の前に立って四方を見渡した。
また戻ってくると思うけれど、お別れをしておこう。
いつかコハクのように結婚をして、家族ができたらここに戻ってこようと決めて――
「…行って来ます」
「よっし、じゃあ行くか。チビー、行くぞー!」
「はーい!私もグリーンリバーに戻るの楽しみ!あっ、お土産買って行かなくっちゃ!えっと、グラースとティアラにはネックレスとかピアスとか買ってあげるの。コー、いいよね?」
「もちろん。じゃあ魔法かけるぞー」
家の外に出て扉を閉めた後、コハクは扉に右手を置いてぽつりと何か囁いた。
すると扉を中心に淡い光が家を包み込み、硬化したように見えた。
「例えばの話、石を投げられても窓ガラスは割れねえし、扉を斧で壊そうとしても絶対壊れねえ。これでますます不気味な家になったってわけだ」
「それは願ったり叶ったりだ。コハク…ありがとう」
感謝を述べられて急に恥ずかしくなったコハクが指で頬をかいていると、ラスがきゃっきゃっ声を上げているルゥの頬にキスをしまくりながら腕を振り上げた。
「出発進行ー!」
いよいよグリーンリバーへ。