魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
とにかくスケッチをしまくった。
頭に浮かんだ作品、今見えている風景、そして…似顔絵。
だがラスがなんとしても見たいらしく、スケッチブックを開くとすぐにじり寄って来るので、見せないようにするのが大変だ。
「じゃあ俺とチビは地下の部屋使うから、お前は上の部屋どれでも使っていいぜ」
「ああ。おやすみ」
アーシェはラスを抱っこしたコハクを見送った。
ラスの腕の中には眠っているルゥが居たが…今もまだラスが子持ちだということが信じられない。
あんなに身体が細いのに…
あんなに綺麗で可愛いのに……
「…ふぅ。ついて来るんじゃなかったかな」
連れ出してくれたことには感謝しているが、どうしてもラスに目を遣ってしまうので、コハクに申し訳ないと言う思いが生まれてしまっている。
だがその原因を、アーシェは知っている。
「アーティストっていうのは美しいものが好きなんだ。だから目がいくのは当然だろ」
ベッドに身体を投げ出して心地よい波に身体を委ねていたが、なんとなく独りで居るのが嫌になったアーシェは、コハクたちと少し話をしようと思って階段を降りた。
だが――
聞こえたのは、明るい笑い声ではなく……
「…!こ…この声は…」
猫が甘える時に出すような高い声。
これ以上近付いてはならないとわかっているのに、アーシェの脚は1歩前進してしまい、丸い覗き窓から中を見てしまった。
見えた光景は…自分にそっくりな男がラスを組み敷いて愛している姿――
「………来るんじゃなかった…」
――経験がないわけではない。
村に遊びに来た観光客に色目を使われて、女なら何度も抱いたこともあるが…
アーシェは振り切るように階段を駆け上がって甲板に出た。
無人の甲板は船内に居る時よりも波の音がすごくて、夜空は澄み渡って満天の星空が降ってきそうなほどに美しい。
「…ま、そうだよな。新婚って言ってたし…。…あいつ、だから俺にルゥを預けたのか」
部屋に戻ると待ち構えていたかのようにルゥが歓声を上げて迎えてくれた。
「あぷっ」
「お前のパパはどエロだな」
「きゃうう?」
ひとしきりコハクの悪口を言った後、ベビーベッドからルゥを抱っこして出すと、一緒のベッドで眠った。
頭に浮かんだ作品、今見えている風景、そして…似顔絵。
だがラスがなんとしても見たいらしく、スケッチブックを開くとすぐにじり寄って来るので、見せないようにするのが大変だ。
「じゃあ俺とチビは地下の部屋使うから、お前は上の部屋どれでも使っていいぜ」
「ああ。おやすみ」
アーシェはラスを抱っこしたコハクを見送った。
ラスの腕の中には眠っているルゥが居たが…今もまだラスが子持ちだということが信じられない。
あんなに身体が細いのに…
あんなに綺麗で可愛いのに……
「…ふぅ。ついて来るんじゃなかったかな」
連れ出してくれたことには感謝しているが、どうしてもラスに目を遣ってしまうので、コハクに申し訳ないと言う思いが生まれてしまっている。
だがその原因を、アーシェは知っている。
「アーティストっていうのは美しいものが好きなんだ。だから目がいくのは当然だろ」
ベッドに身体を投げ出して心地よい波に身体を委ねていたが、なんとなく独りで居るのが嫌になったアーシェは、コハクたちと少し話をしようと思って階段を降りた。
だが――
聞こえたのは、明るい笑い声ではなく……
「…!こ…この声は…」
猫が甘える時に出すような高い声。
これ以上近付いてはならないとわかっているのに、アーシェの脚は1歩前進してしまい、丸い覗き窓から中を見てしまった。
見えた光景は…自分にそっくりな男がラスを組み敷いて愛している姿――
「………来るんじゃなかった…」
――経験がないわけではない。
村に遊びに来た観光客に色目を使われて、女なら何度も抱いたこともあるが…
アーシェは振り切るように階段を駆け上がって甲板に出た。
無人の甲板は船内に居る時よりも波の音がすごくて、夜空は澄み渡って満天の星空が降ってきそうなほどに美しい。
「…ま、そうだよな。新婚って言ってたし…。…あいつ、だから俺にルゥを預けたのか」
部屋に戻ると待ち構えていたかのようにルゥが歓声を上げて迎えてくれた。
「あぷっ」
「お前のパパはどエロだな」
「きゃうう?」
ひとしきりコハクの悪口を言った後、ベビーベッドからルゥを抱っこして出すと、一緒のベッドで眠った。