魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
砂埃を起こしながら重たい地響きを立てて少し先に降り立った真っ黒なドラゴンの鼻から白い煙が巻き起こった。
蜥蜴特有の細い瞳孔はしっかりとアーシェを捉えて、そして人語を発した。
『お前はなんだ。魔法でも使ったか』
「ちげーし。こいつは俺の…えーと…なんていうか…そのー…」
「ドラちゃん、アーシェはコーの親戚なの。ホルンっていう村に住んでたんだよ。コーの親戚なんだよ、すごくない!?」
『親戚?…その赤目…匂い…確かに他人ではないらしいな』
ラスにドラちゃんと呼ばれたドラゴンの背から、これまた真っ黒な男が降り立つ。
村に居た時の自分と同じようにフードを目深に被った男は、コハクの脇をすり抜けてラスの前に立つと、頭をなでなでした。
「ただいま、デス。なんにも変わりはなかった?」
「………うん。………多分…」
「多分ってなんだよ。まあこんなとこで立ち話もなんだし、城に戻ってからゆっくり話そうぜ」
ラスが抱っこしていたルゥは、大好きなデスに久々に会えて大きな歓声を上げてもがくと、デスに抱っこされて骨だけの指をちゅうちゅう吸い始める。
肌が真っ白くて手が骨――
まさしく死神と言える男はアーシェと目が合うと、何のリアクションもなく片手でルゥを抱っこし、片手でラスの手を握ると、城に向かって歩きはじめた。
「死神と付き合いがあるなんて…俺は夢でも見ているのか?」
「どうだ、俺がすげえ魔法使いだってことがまたこれでわかっただろ?でもあいつは全く害はないんだ。だから普通に接してやってもらえると嬉しいんだけど」
なんだかラスが真っ黒なものに囲まれ過ぎて不憫になってしまったアーシェは、後で服装を少し明るい色のものに変えようと決めてコハクに肩を抱かれると、ドーム型の城を見上げる。
「王女の影に憑いた魔王、か…」
「そ。でも俺が魔王だってことは皆は知らねえ。別に知られてもいいけどチビが言わなくていって言うから言ってねえんだ」
ラスはデスを手を繋いで歩きながらも何度もちらちら振り返っては笑顔を振りまく。
花のように笑い、花のように美しいラスに笑いかけられるとなんだか癒されると同時に早く何かを作りたいという創作意欲も沸く。
「綺麗な街だな。俺もこの街とお前たちのために何か作りたい。作業部屋を用意してくれ」
やる気を出したアーシェの頭をぐりぐり撫でたコハクは、はにかんで笑うと照れてしまい、城に着くまで喋れなかった。
蜥蜴特有の細い瞳孔はしっかりとアーシェを捉えて、そして人語を発した。
『お前はなんだ。魔法でも使ったか』
「ちげーし。こいつは俺の…えーと…なんていうか…そのー…」
「ドラちゃん、アーシェはコーの親戚なの。ホルンっていう村に住んでたんだよ。コーの親戚なんだよ、すごくない!?」
『親戚?…その赤目…匂い…確かに他人ではないらしいな』
ラスにドラちゃんと呼ばれたドラゴンの背から、これまた真っ黒な男が降り立つ。
村に居た時の自分と同じようにフードを目深に被った男は、コハクの脇をすり抜けてラスの前に立つと、頭をなでなでした。
「ただいま、デス。なんにも変わりはなかった?」
「………うん。………多分…」
「多分ってなんだよ。まあこんなとこで立ち話もなんだし、城に戻ってからゆっくり話そうぜ」
ラスが抱っこしていたルゥは、大好きなデスに久々に会えて大きな歓声を上げてもがくと、デスに抱っこされて骨だけの指をちゅうちゅう吸い始める。
肌が真っ白くて手が骨――
まさしく死神と言える男はアーシェと目が合うと、何のリアクションもなく片手でルゥを抱っこし、片手でラスの手を握ると、城に向かって歩きはじめた。
「死神と付き合いがあるなんて…俺は夢でも見ているのか?」
「どうだ、俺がすげえ魔法使いだってことがまたこれでわかっただろ?でもあいつは全く害はないんだ。だから普通に接してやってもらえると嬉しいんだけど」
なんだかラスが真っ黒なものに囲まれ過ぎて不憫になってしまったアーシェは、後で服装を少し明るい色のものに変えようと決めてコハクに肩を抱かれると、ドーム型の城を見上げる。
「王女の影に憑いた魔王、か…」
「そ。でも俺が魔王だってことは皆は知らねえ。別に知られてもいいけどチビが言わなくていって言うから言ってねえんだ」
ラスはデスを手を繋いで歩きながらも何度もちらちら振り返っては笑顔を振りまく。
花のように笑い、花のように美しいラスに笑いかけられるとなんだか癒されると同時に早く何かを作りたいという創作意欲も沸く。
「綺麗な街だな。俺もこの街とお前たちのために何か作りたい。作業部屋を用意してくれ」
やる気を出したアーシェの頭をぐりぐり撫でたコハクは、はにかんで笑うと照れてしまい、城に着くまで喋れなかった。