アウトサイダー
ずっとボロボロだったスニーカーも、綺麗に磨かれたハイヒールに変わった。
たいしたブランド物ではないけれど、それなりの服装もするようになった。
そして、彼も……いつも泥だらけにしていたTシャツは、きっとオーダーしただろう濃紺の背広に代わって……。
自分で呼吸が荒立つのが分かってしまう。
もう少しで彼が……私の横を通り過ぎる――はずだった。
だけど……。
チラッと視界に入っていた彼が、突然方向を変えて私に向かってくる。
もうそれだけで歩みを進めることすらできなくなった私は、思わず立ちすくんでしまった。