アウトサイダー
「時間、ないか?」
「えっ……」
「ちょっと、話せるか?」
「――うん」
本当はそうやって誘われて飛び上がるほどうれしかったのに、それを表すことすらできない。
だってそうするという事は、彬さんを――。
私たちは近くの適当な喫茶店に入った。
こんな繁華街なのに、一つ路地を入ればわりと落ち着いた雰囲気の場所もあることを知った。
「ホットと……紗知はミルクティ?」
「うん」
二人で過ごした夜。
私たちは大人ぶって、ジュースじゃなくてコーヒーや紅茶を口にした。
私は紅茶を。
特にミルクティ。
それを覚えていてくれたことが、やっぱりうれしかった。