アウトサイダー
それを手掛けるのは、コンペで永沢さんと斉藤さんという建築士に決まっていた。
永沢さんが言うには、斉藤さんも永沢さんと同じくらいのキャリアがあって、いつも良きライバルとしてしのぎを削ってきたのだとか。
今日は、市の担当者に会いに行く日だった。
建設業者の選定や予算等の相談に。
そこには斉藤さんも来ると言う。
それに私を連れて行ってくれるという永沢さんに驚いた。
きっと私に、勉強の機会を与えてくれているのだ。
私たちは建築物を図面にしたり、イメージを提供する。
だけど、実際に作るのは別の業者だ。
建物のコンセプトがきちんと伝わっていないと、いいものができないんだと教えられてきた。
だから、図面を描くこと以外にも大切な仕事があるのだと。
だけど、私なんて連れて行ったとしても、なんの役にも立たないのに。
それより、別の建築士の方がいいのではと提案したけれど、永沢さんは頑なに私をと言った。