アウトサイダー

私たちを余所に交わされる会話。


その間も、ずっとその人しか目に入らなくなってしまって……。
そう、建築士の太陽に。


その時になってやっと気がついた。
彼の名刺に書かれた事務所の名前が、斉藤建築事務所だったことに。

それなのに今まで気がつかなかったのは、もうこんな偶然二度とないと思い込んでいたからなのかもしれない。


「紗知?」

「あっ、はい」


永沢さんに呼ばれて、ようやく我に返る。


「うちの事務所のインテリアコーディネーター、池森です」


斉藤さんに紹介してくれた永沢さんの声に合わせて、慌てて名刺を差し出す。


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