アウトサイダー
彼に犯されるんじゃない。私が彼に抱かれるんだ。
ゆっくり目を閉じて、彼の唇を感じる。
優しく私の唇に触れたそれは、もうさっきの冷たさが消え去っていた。
だけど……。
「紗知、ごめん」
そう言った彼は、私から離れて部屋を出ていく。
彼の温もりが突然消え去った体は、寂しいと泣いているようだった。
何故だか、虚しかった。
今まで懸命に生きてきたその道が、虚構だった気さえして。
自分の気持ちを押し殺して、過去をひたすら隠して……私はアウトサイダーなんかじゃないって、見栄を張って。
だけど、それがなんになるというの?
私がそうなったのは不可抗力で、なりたくてなったわけじゃない。
私はなにもしていない。
それなのに、それを隠すことに必死になっていた私の人生は……。