アウトサイダー
「紗知……お前はきっと、一生懸命に育ててもらった恩があるんだな。
だから、ご両親の気に入った人と」
「違います。彬さんは、優しくて、私の事を愛してくれて……」
気がつくと、私は必死に反論していた。
違う。彬さんを選んだのは、私の意志。
父や母は関係ない。
「愛してくれてるんだ、その男」
「はい」
私の返事と同時に、永沢さんが私の右手をパッととって、シャツをまくりあげた。
「あっ……」
彬さんの手の形に痣になってしまった手首は、改めて見ると痛々しい。