アウトサイダー

私はどうすることもできなくて、一番端の自分のデスクについて、昨日残した仕事に取り掛かった。


だけど……こんな状況では身が入るわけもなく、考えなくてもいい仕事をひたすらやった。
発注書の入力や、経費の計算。

それですら、時折詰まってしまっては、溜息をついた。



「紗知、出かける時間だぞ」

「えっ? はい」


いつもなら永沢さんのスケジュールは私が管理していたのに、今日は彼からそう言われて少し焦る。

これではいけない。仕事は仕事だ。


「すみません。今日は……あっ……」


慌てて手帳を開くと、斉藤事務所での打ち合わせだと気がついて、思わず声が出てしまった。



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