アウトサイダー
「俺に話さなくてもいい。だけど、千島くんにはきちんと話せ」
私のどんより曇った心とは裏腹に、その日は久しぶりに雲ひとつない晴天だった。
朝出勤前の永沢さんは、真っ青な顔をしている私を見て、私を抱きよせた。
「紗知。自分の幸せは自分で掴め。
俺……正直にいうと、お前が欲しい。
千島くんはもちろん、篠川くんにも渡したくない」
「永沢さん……」
「渡したくないんだ」
私を抱きよせる腕に力がこもる。
彼の優しさに心が揺れる。
それでもきっと私は……。
そっと彼の手から逃れると、彼は私の顔を覗き混む。
「そんなに困った顔するなよ。でも、それが紗知の答えだ」
「えっ?」
「好きな女が泣くのは辛いぞ?」