アウトサイダー

それから彼は、私をいつものように車に乗せて出勤した。

事務所は、美容院の設計が大詰めを迎えていることでかなり忙しく、私も含めて皆が走り回っていた。


「永沢さん、電話です」

「おぉ」


事務所のボスとしてそつなく仕事をこなしいてる彼は、本当に素敵な人だ。
彼を上司として、尊敬している。

けれど、私が好きなのは……。


「紗知、斉藤のところに行くぞ?」

「えっ?  はい」


今日はそんな予定はなかったはずだ。


「コミュニティセンターの件で至急だ」

「わかりました」


そういうことがない訳じゃない。
クライアントに合わせて刻々と状況は変わる。


本当は、太陽の顔を見るのが辛い。

彬さんに別れを告げたところで、太陽には百合さんがいることをわざわざ痛感しに行くのだから。


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