アウトサイダー
「池森さん」
「あっ、はい」
「心、ここに非ずですね」
「そんなこと、ありません。ごめんなさい体調が悪くて」
そう逃げるしかなかった。
もう、太陽と同じ空気を吸っていることもいたたまれない。
「それは、早く言ってくれればいいのに。大丈夫、ですか?」
彼の手が近づいてくるのが、スローモーションのように見える。
固まってしまった私は、そのまま見つめていることしかできなくて。
やがてそれが額に達して、私の前髪をかきあげながら触れる。
ずっとそうだった。
私の調子が悪いのに気がつくのは、いつもいない母ではなくて、太陽だった。
私の額に手をあてて、ほんのわずかな熱も言い当てて。