アウトサイダー

「熱は、ないようだ」


彼の言葉にポロッと涙がこぼれてしまう。


「紗知?」


「池森さん」から呼び方が変わった彼は、心配そうに私を見つめる。


「ごめんなさい。大丈夫……」


涙を止めたいのに、我慢すればするほど流れてくる。
慌ててハンカチを取り出して、彼に背中を向ける。


「紗知……」


そんなに優しく呼ばないで。
あなたとの思い出が溢れだしてしまうから。


「紗知……泣くな。お前が泣くのを見るのは……」

「紗知、終わったぞ」


その時突然ドアが開いて、永沢さんが入ってきた。


「どうして、泣いてる?」

「いえ、これは……」


私が慌てて永沢さんに言い訳をしようとすると、永沢さんは太陽に詰め寄る。





< 360 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop