アウトサイダー
「紗知、ごめん。
お前の感情をこんなに簡単に揺さぶれる、あいつが羨ましい」
「永沢、さん……」
どうしたらいいのか、わからなかった。
だけど、私のせいで永沢さんが苦しむのは嫌だ。
私は彼のそばまで行って、床にひざまづいた。
「私……ごめんな……」
「なにも言うな。わかってるんだ、俺だって。そんなに鈍感じゃない」
彼はその言葉とともに、私を強く抱きよせる。
いつもの風格も感じられないほど、小刻みに震えていて――。
永沢さんのこんな姿を初めて見た。
「紗知、好きなんだ」
絞りだしたような彼の声は、私の胸に突き刺さった。