アウトサイダー
「紗知、必ず助ける」
「いえ。もうかかわらないで……」
「千島さん、これ以上紗知に手をあげたら警察沙汰にします。
それだけは覚えておいてください」
「余計な心配を」
吐き捨てるように言った彬さんの言葉に「チッ」と舌打ちをした永沢さんは、心配そうに私を見つめながら車に乗り込むと、すごく険しい顔をして去って行った。
「紗知、風呂を入れてくれ」
「はい」
まるでなにごともなかったかのように、いつも通りの生活を続けようとしている彼が怖い。
あの頃の父と、そっくりだったから。
こんなとき、無駄な抵抗をしないことだけが自分の身を守る手段だと経験上知っている。